2819.2015年1月31日(土) 人質問題に対するアメリカの二枚舌と変心

 昨日雪が降ったせいか、今日は寒いうえに風が強く全国的に底冷えする気象のようだ。大分寒そうなので、いつも日課のようになっている駒澤公園へのウォーキングもついさぼってしまった。明日以降も北海道では吹雪だし、北日本を中心に豪雪となりそうな様相である。

 セルビアの山崎洋さんが2月にまた日本へ来られるという。メールで連絡を取っていたところ2月20日に在日セルビア大使館で表彰式があるので、私にも友人のひとりとして式に出席して欲しいという話を承った。よく聞いてみると今回は、山崎さんが表彰されるのではなく、奥さんの佳代子さんが表彰され、私は奥さんの友人ということでお呼ばれされるようだ。奥さんも詩人としてセルビアと、日本でも中々精力的な活動をされているが、どういう栄誉を授けられたのか今のところ寡聞にして承知していない。表彰式を済ませて奥さんは一足先にセルビアに帰られるが、山崎さんはしばらく東京に滞在しているということなので、小旅行を計画してみた。

 最初は箱根一泊の旅を考えたが、積雪の恐れがあり車では少々心配なので、湘南地方を立体的に見学しようと考えてみた。小田急ロマンスカーで江の島へ行き、ランチに「さざえの壺焼き」を食して江の島展望塔から富士山を眺望し、江ノ電で七里ガ浜沿いに鎌倉へ周り、鎌倉の寺社を見学しようとのプランである。早速このプランを山崎さんに伝えたところ、江の島は小学生の時以来だと大いに乗り気だったので、この計画を進めたいと思っている。

 早速ゼミの仲間にも声をかけて同行者を募ることにした。

 さて、渦中の「イスラム国」人質問題は昨日からまったく動きが見られず、完全に膠着状態になったままである。ヨルダン人パイロットの安否がヨルダン国内で取り沙汰され、政府もパイロットの安全が確認されない以上リシャウィ死刑囚を解放しないと頑なな態度に終始している。果たしてパイロットは無事でいるのか。それさえ確認できないとすると、後藤健二さんの解放はとても覚束ない。

 一方で、この人質問題に対するアメリカ政府のコメントがすっかり聞かれなくなってしまった。このような場合過去の例では、アメリカは世界の警察官としての自負から積極的に発言していたが、先日サキ報道官が日本もヨルダンもテロ集団と交渉すべきではないし、両国ともアメリカの考えを分かってくれると思うと、暗に日本とヨルダンにプレッシャーをかける言い方をしていた。それに対してもうひとり別の報道官も同じような考えを述べたが、その場でその報道官は記者団から昨年アルカイーダと交渉の上過激派テロ集団と人質交換を行ったのは、主義と持論に悖るのではないかと厳しく追及され、日本とヨルダンの行動を容認するとアメリカの考えを翻した。サキ報道官は、アメリカの人質交換は軍人同士の交換であり、今度のケースとは違うと言い訳とも取れる詭弁を弄していた。その後この件でアメリカ政府から一向に納得させる至言が出されていない。

 アメリカのご都合主義が、ここへ来て日米同盟問題でも見えてきたし、「イスラム国」の人質問題でも露骨に顕れてきた。お互いに同盟国と言っても異なる方向を見ている。一体本音はどうだろうか。ありきたりだが、正しいと信じることを行うことが、一番相手を納得させ信頼を勝ち得る早道ではないだろうか。

2015年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2818.2015年1月30日(金) 義姉の体調急変が心配だ。

 直近の天気予報で昨晩から今日午後にかけて雪が降り積ると予想されていたが、実際今朝起きたら外は銀世界だった。都心では今年の初積雪となった。

 実は今日は2週間前からある会合が予定され、出席する予定だった。ところが、身体がやや熱っぽいことと降り続く雪が気になり用心のため、幹事へ欠席の連絡をした。その直後に鎌倉の弟から、兄の家内が悪性リンパ腫と診断されて治療を始めてから今や癌治療の第3段階に入っていて、大分具合が悪そうなので夫婦で見舞いに行くつもりだと電話がかかって来た。我々夫婦にも一緒に行かないかと唐突なお誘いである。この雪の中を敢えて行くより、2~3日後の天候の良い時に行こうと考えていると話したところ、どうも考えている以上に彼女の病状が悪いらしい。これまでにも度々手術を受け、昨晩0時には3時間に亘る手術をし、現在ICUに入ったままだというので、これは行かないとひょっとすると後顧に憂いを残すのではないかと考え直し、取り急ぎ雪の中を出かけることにした。

 狛江市の東京慈恵会医科大第3病院では先着した弟夫婦が待っていてくれた。義姉は意識はあるが、チューブを銜えた状態で話すことはできず、ただジェスチャーで見舞いに来たことを伝えたようだ。我々夫婦が到着した時はICU室に入ったが、治療のため別の場所に移動して彼女と会うことはできなかった。幸いその場に姪が来合わせたので、メッセージは伝えることができた。

 それにしてもこれほど病状が進んでいるとは想像もしていなかった。1年前に亡父の13回忌の折に、腰が痛いので2階に上がるのも大変だということは本人から聞いたが、あっと言う間に病は悪化していたようだ。ともかく本人に会えずとも見舞いに行って良かったと思っている。

 その後兄からお見舞いに対するお礼のメールをもらったが、兄によると明日担当医師から話があるとのことなので、兄もある程度覚悟を決めているようだ。 

 さて、「イスラム国」に拉致された後藤健二さん解放の話は、特段の進展もなく膠着状態に陥っている。「イスラム国」から、当初後藤さんとヨルダンが拘束しているリシャウィ死刑囚交換による取引を提案されたが、ヨルダン政府がリシャウィ死刑囚とヨルダン人パイロットの交換を優先して要求してから、「イスラム国」は何の応答もしなくなった。ヨルダン政府はパイロットが生存している明らかな証拠を見せて欲しいという「イスラム国」に対する要求に対して、「イスラム国」は無視し続けている。ヨルダンでは、このところ政府の対応に不満が生じてきて、反政府、反国王の空気が生まれつつある。ヨルダン政府は、パイロットの生存が確認できなければ、死刑囚を釈放することはないと公表している。後藤さんの解放はまったく俎上に上らなくなった。

 事態の変化の期限が来ても事態は動かない。どうなっているのだろうか。

 そして、今22時15分に新しいニュースが入って来た。イラクのクルド人地区キルクークで、「イスラム国」がクルド人地区を攻撃し、クルド人部隊司令官を始め、兵士十数名を殺害したという。どうなるのか、人質問題は?

2015年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2817.2015年1月29日(木) 依然解決されない人質事件

 昨晩オレンジ色の着衣を着込んだ人質の後藤健二さんが、「イスラム国」から言わされた3度目のメッセージを送って来た。24時間以内にリシャウィ死刑囚を解放しなければ、後藤さんを殺害し、その前に拘束しているヨルダン人パイロットを殺害すると脅迫したのである。今度は後藤さん自身が前日述べた24時間以内に自分とリシャウィ死刑囚との交換釈放については触れていない。いつのまにやら、死刑囚と後藤さんの交換が、死刑囚とパイロットの交換に代わっている。ヨルダン政府の苦悩が浮かび上がって来るようだ。

 ヨルダン王宮前では、パイロットを釈放せよとデモ隊が取り巻いている。ヨルダン政府はこの国民の声をまったく無視するわけにいかない。いずれにせよ、はっきりした確信がないまま時間だけは刻一刻と迫っている。後藤さんの話題がパイロットにすり替わったことに対して、日本側もこれという打つ手が繰り出せない。

 いつになったら解決へ向けて前進するのやら、気が気でない。ともかく今はヨルダン政府がリシャウィ死刑囚を釈放するのと引き換えに、ヨルダン人パイロットを解放しろと求めているところである。後藤さんはどうなるのか。

 テレビ、新聞だけに限らず、週刊誌もこの人質事件を大きく取り扱っている。駒澤公園へのウォーキングの帰りにコンビニでこの事件を大きく扱っている週刊誌を2冊買い求めてきた。当分の間目が離せない。

 そんな人質事件の最中に、一昨日は悪名高いユダヤ人虐殺のアウシュビッツ収容所が解放されてからちょうど70周年という歴史的な一日となった。各国の首脳もその式典に参加したようだが、1945年にソ連軍が解放したことから、催しにはいつも出席していたロシアのプーチン大統領が出席しなかった。欠席の言い分は招待されなかったからということのようだが、主催者としては、特定の人物を招待することは今までもしてこなかったようだ。ウクライナ問題で欧米と距離があるプーチン大統領が臍を曲げたのではないかと憶測されている。

 これはアメリカにしても同じで、オバマ大統領が出席しなかったことは、先のパリ・テロ事件後の追悼行進に参加しなかったことと併せて、オバマ大統領の失点と言われている。

 他方、国内では目立った事象として、昨日発表された「スカイマーク航空の再生法申請」とJR九州の上場申請がある。前者は今からほぼ20年前に、日本航空と全日空の寡占状態に殴り込みをかけて安売り航空券販売会社エイチ・アイ・エスによって設立された。その後順調に実績を伸ばして国内航空会社第3位の地位にまで進出した。IT企業から乗り込んできた経営者の思い切ったマネジメントが思惑の違いを呼んだようだ。エア・バス社へ大量に注文した新鋭機をキャンセルして、多額の損害賠償金を要求され、乗客搭乗率の降下とともに行き詰まった。

 一方のJR九州は上場を予定しているようだが、同社は主要の鉄道業では赤字のままである。稼ぎの素は、不動産業だというからイメージとは程遠い。派手な宣伝で「七つ星」などの観光用列車を売り込んで成功し得意満面であるが、「七つ星」は乗車したくともいつも満席で地元客が予約を取れない状態である。その一方で、普通車はガラ空きという鉄道会社としては不本意な経営である。しかも国鉄から分離した際、国から受け入れた助成金約4000億円を返還していない。

 分かりにくい話ばかりである。

2015年1月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2816.2015年1月28日(水) 後藤さんの運命は残り24時間

 昨晩「イスラム国」の人質になっている後藤健二さんが、オレンジ色の衣装を着て「イスラム国」に身柄拘束されているヨルダン人パイロットの写真を手に、ヨルダンの刑務所に収監されているリシャウィ死刑囚を解放しなければ、24時間以内に自分は殺害され、その前に写真のパイロットが処刑されると英語でアナウンスした。相手は時間を限定してきたのである。

 ヨルダン国内でも、パイロットの解放が最優先条件であると気勢をあげるデモが行われ、後藤さんが解放されるかどうかは、ヨルダン政府の決断ひとつに懸っている。しかし、いかに後藤さん解放の条件としてリシャウィ死刑囚釈放が求められたにしても、国民の間からはヨルダン人パイロットの解放を何よりも優先すべきであるとの声は、アブドラ国王やヨルダン政府にとって無視することができず、苦しい決断を迫られている。

 日本も死刑囚と後藤さんの交換を表だってヨルダンに要求するわけにも行かず、悩ましいところである。こういうケースは当事者にとって苦渋の選択になるが、直接関係のないアメリカ政府報道官は、しきりにテロに屈するような身代金や人質の解放は好ましくないと否定的なコメントを述べている。それでも最終決定はあくまで日本政府とヨルダン政府が決めることであると、嫌らしいプレッシャーをかけている。それでいて、アメリカはイラクで米軍人捕虜解放の交換取引を行ったが、その理由が軍人同士の交換だから筋が通るような屁理屈をつけている。結局は他国に対しては正論を語りながら、その一方で自らは姑息な手段を講じて論理性に欠けることを平気でやっているのだ。

 いずれにせよ今日中に24時間という刻限がやってくる。現地対策本部はアンマンの日本大使館内に設置され、リーダーである中山泰秀・外務副大臣は大使館を激しく出入りしている。その都度各国のジャーナリストが中山副大臣を取り囲んでコメントを聞き出そうとしている。中山副大臣もヨルダン政府の立場を慮ってか歯切れが些か良くない。

 ヨルダン、特に首都アンマンの光景がテレビにしばしば映し出されるが、2年半前に訪れた時の様子の通り、アラブの街らしく建ち並ぶ建物、民族衣装を着て歩く人々の姿、道路に沿った屋台の物売りが懐かしい。これからヨルダンにどんな結果が示されることだろうか。また、後藤氏の運命はどうなるだろうか。

 さて、ヨルダンに世界の注目が集まっているが、周辺のアラブ諸国のひとつでまた残虐なテロ事件が起きた。昨日リビアの首都トリポリでイスラム系武装集団がホテルを襲撃し8人が死亡した。彼らも「イスラム国」に忠誠を誓っている。

 こんな極悪非道な事件の渦中にあるアラブであるが、今夕の日経紙に依れば、昨年世界の国際空港で並みいる欧米の空港を尻目に国際線旅客数トップになったのが、何とアラブ首長国連邦のドバイ国際空港である。長らく首位の座にあったロンドン・ヒースロー空港を追い抜き、産油国の空港がトップを占めたというのも時勢を反映して、実に象徴的である。良きにつけ、悪しきにつけ、アラブが世界の耳目を集める時代になったということだろうか。

 それにしても風前の灯となった後藤さんの運命が心配である。何とか救われるようひたすら祈るしかない。

2015年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2815.2015年1月27日(火) 選挙結果でギリシャの経済再建は?

 ギリシャがドえらいことになりそうである。一昨日実施された総選挙で、急進左派連合が与党の新民主主義党に圧勝したことにより、経済不安の懸念を増幅させることになったのである。財政不安のギリシャが選挙の結果でどういう方向へ進むことになるのか、極めて難しい選択を迫られることになった。2012年以来、再びギリシャ経済に対する不安が再燃しそうな雲行きである。

 実は世界中の財務関係者が今回の投票結果を注視していた。残念ながら彼らの好まざる結果となった。ギリシャは永年に亘り不況に苦しんできた。失業率25%はEUの中でも最悪である。そのためギリシャはEUの支援を受けて緊縮財政を続けてきた。その代わりにギリシャ国民は、年金カット、増税に耐え忍んできた。だが、国民としてはこれ以上もう我慢できないところまで来ている。それが今回の総選挙で急進左派連合がばらまき経済政策のアピールによりほぼ過半数を獲得した原因である。党首のチプラス氏は、緊縮財政を求めるEUに反する最低賃金の引き上げや固定資産税の廃止などを主張している。その結果、急進左派連合の勝利により、早くもギリシャの株価は下落し、国債は売られて金利が上昇して外為市場でユーロ安が進み、ユーロ安水準となった。チプラス氏の主張は、これまで支援してきたEUに対する、謂わば居直りのようなものである。

 実際ギリシャ不安説が恒常的なユーロ安になれば、ギリシャの反緊縮財政の機運がポルトガルやスペインなどほかの南欧諸国に広がって全体的にユーロ売りが強まり、その結果ヨーロッパ市場全体が経済不安を抱えることになる。それが世界経済全体の足を引っ張ることにつながることになる。

 すでに首相の地位に就いたチプラス氏はEUとの話し合いに希望を託しているようだが、一方で、EU諸国の求める債務削減に対して反対するギリシャへの反発も激しい。その場合妥協が成立しなければ、最悪の場合ギリシャのEU圏離脱が現実味を帯びてくる。それどころか、ギリシャの経済破たん、所謂デフォルトの可能性さえ有りうる。

 2004年にはアテネ・オリンピックを開催したほど余裕があった、このかつての王国も、古代ギリシャの3大哲学者、ソクラテス、プラトン、アリストテレスを生んだ昔日の面影はすでになく、今や崩壊の瀬戸際に立たされていると言っては言い過ぎだろうか。

2015年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2814.2015年1月26日(月) 「椎名誠旅する文学館」スタート

 作家・椎名誠さんの事務所から新しい会社になって、近々事務所も転居すると連絡をいただいた。これまでの事務所は中野区南台にあったが、2月4日付で渋谷区笹塚に転居する予定で、事務所名もこれまでの「㈱椎名誠事務所」から「㈱椎名誠旅する文学館」へ変更したとのことである。まるで図書館か、記念館のような名前で、考えようによっては椎名さんらしいとも思う。

 椎名さんの兄研二くんとは千葉・幕張小学校のクラスメートで、私よりほんの一足先に編入してきた。お互いに根っからの野球好きだったので、一緒に後楽園へ巨人を応援に行って特に親しくなったが、卒業後は別々の私立中学校へ進学して彼が亡くなる数年前に漸くクラス会を通して親交が戻った。誠さんに依れば、研二くんは酒好きで酒浸りのまま死んだようなものなので、本人は悔いがないのではないかと案外冷淡なことを言っていた。椎名さんには、私の処女出版書「現代海外武者修行のすすめ」の表紙帯に小中陽太郎さんからいただいた推薦文の他に、個人的に「~いやはや面白い。ものすごい冒険家ですね。映画を見ているようですっかり没入しました。いまの日本の若者すべてに読ませたいと思いました」と椎名さんならではのありきたりではない温かい推薦の言葉もいただいた。

 先日古書店を覗いていて偶々珍しい文庫本を2冊見つけた。1冊は有栖川有栖著「マレー鉄道の謎」である。マレー鉄道では始発駅バンコックから終着駅シンガポールまで5回も乗車しているし、何度もマレー鉄道のツアーを企画した。幸いマレー鉄道をある程度知っているので、この本がどういう視点から書かれ、どんな謎があるのか、楽しみに購入したものだ。

 併せて買い求めたもう一冊の古本が椎名さんの「秘密のミャンマー」である。今読んでいるところだが、椎名さんがミャンマーを訪れたのは、私が度々訪れていた時代に比べると大分時間が経過している。国家体制も変わり、地名もほとんどが昔とは変わっている。しかし、椎名さんが描くミャンマーとミャンマー人は、私が訪れていた頃に比べて少しも変っていないことが分かる。細かい点についてもビルマ人の特徴を的確に捉えていて、懐かしいビルマの情景を思い出させてくれる。

 これまで椎名さんの旅物語には特異の「シーナ風」の味があり、殊更面白く感じていた。しかし、椎名さんがビルマを旅したとは耳にしていなかったので、どうしてあの魅力的な国を訪れないのだろうと、「シーナ風」ビルマの旅物語の出現を楽しみにしていた。そんな折に偶然「シーナ本」を古書店で見つけ思わず買ってしまった。新会社の発展を祈り、新しい旅物語の上梓を期待している。

 さて、「イスラム国」の人質となっている後藤健二さんの救出活動について、各テレビ局が報じているが、中々これという解決策が見つからないようだ。日本とヨルダンとの外交関係や、ヨルダンの親日性など、今になってヨルダンという国に関するありとあらゆる情報を伝えている。特筆されるのは、現在のアブドラ国王が過去に11回も訪日されていることである。私も48年前にヨルダン軍兵士に身柄拘束され、3年前には改めて拘束現場を検証に出かけたので、その後あまり変わっていないアンマン市街の画像が出るたびに頷きながら感慨深く観ている。

 後藤さんの解放についても「イスラム国」の出方が容易に読めず、日本政府としても対応に苦慮している。更にヨルダン政府にはヨルダン人パイロットが「イスラム国」で捕虜となっている自国の厳しい事情もあり、ヨルダン人の国民感情を考えると、簡単に後藤さんを救出するための代償として拘留中の死刑囚を「イスラム国」へ引き渡すこともできない。現時点では袋小路に嵌ってしまったようだ。

 これからも解決までは毎日のように事件の経過が伝えられる。一日も早く人質が解放され、事態が解決されることを心より祈っている。

2015年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2813.2015年1月25日(日) 日本人人質のひとり殺害される。

 昨夜遅く「イスラム国」に囚われていた日本人人質のひとり、湯川遥菜さんの殺害された写真を抱えたもうひとりの人質、後藤健二さんの写真がインターネット上に投稿された。情け容赦のない「イスラム国」の残虐な行為に関して、今朝早くから新聞、テレビとも日本政府の批判的なコメントを含めて大騒ぎである。後藤健二さんは今のところ無事のようだが、湯川さんが殺された写真を自らの手で持った画像が公開されたほどであるから、その心中は察するに余りある。

 よく分からない「イスラム国」の実態が、どこに本部があるかも分からず、交渉窓口とのチャンネルが依然としてはっきりしないことが事態の解決を一層難しくしている。日本政府としては、今一番情報を持っていると思われるヨルダンとトルコを頼りに情報収集に当たっている。

 実は、後藤さんの解放条件として「イスラム国」は身代金要求を取り下げ、ヨルダンに収監されている女性死刑囚の解放を求めてきた。この死刑囚は10年前にアンマン市内のホテル爆破事件で50人以上の死者を出した自爆犯人グループのひとりである。その死刑囚はヨルダンにとっては交渉上の切り札でもある。

 ヨルダンにとって死刑囚を解放することによって、後藤さんを自由の身にすることはできる。だが、こういう複雑な事情もある。昨年「イスラム国」空爆に参加していたヨルダン空軍機が撃墜されパイロットが「イスラム国」の捕虜となった。このことは「イスラム国」にとっても、ヨルダン人パイロットは大きな切り札でもある。いくら親日的なヨルダン人だとしてもその心情としては、日本人の解放のために、その取引条件としてどうして多数のヨルダン人を殺害した死刑囚を自由にしなければいけないのか、納得できまい。ヨルダン人パイロットの身の上は解放されないまま、一体どうなるのか。巷に日本人とヨルダン人パイロットの解放を条件に、死刑囚を解放するなら良いとの意見もあるようだ。

 いずれにせよ当面日本政府としては難しい立場に立たされている。

 さて、一昨日史上最多の33回目の優勝を決めた横綱白鵬が有終の美を飾った大相撲初場所千秋楽で少々気になるでき事が2つあった。

 ひとつは残り3番を前に三役揃い踏みを務める力士が、控えるべき時間に東方に控え席にいなかった。西方3人に対して控え席は東方1人だった。土俵上では三役前の取り組みが始まっていた。その取り組み中に控え席に横綱白鵬と同じく横綱白馬富士がそっと入って来る珍事である。どうも優勝が決まって気が弛んでいる。協会も白鵬だろうと厳しく注意すべきである。

 もう一つは、優勝力士白鵬の表彰式中に、館内の観客が立ち上がり、ぞろぞろ帰って行ったことである。砂被り席周辺はかなり空いていた。いくら何でもこれでは、表彰する人、される力士に失礼であろう。礼儀を重んじる大相撲がこれでは台無しである。15日間連日満員御礼幕が下りたのは、東京では18年ぶりというのに場所運営では今場所は有終の美を飾ることができなかった。

2015年1月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2812.2015年1月24日(土) 駒澤公園管理者は何を考えているのか。

 近所の駒澤公園にほぼ毎日のようにウォーキングに出かけている。残念ながら、1964年東京オリンピックの際に建造された公園内の各種競技施設が、2020年大会では使用される予定がないという。実にもったいない話だと思う。それにも拘わらず最近屋内球技場と第一球技場が取り壊され、設計図面によると現在斬新なデザインの新体育館と新球技場が建設されつつある。完成図を見ただけでは何とも言えないが、中々近代的で素晴らしい施設だと思う。だが、どういうわけだか、折角再建されるこれらの立派な施設も、現時点では2020年大会では使用される予定がないようだ。

 そもそもこの駒澤公園の正式名称は「駒澤オリンピック記念公園」といい、64年東京大会で使用され、ここで開催された記録と足跡を後世に伝えるためにそう命名されて保守管理されてきた。それなら2020年大会で使用すれば、その名は更にアピールできるではないか。今だって施設は64年大会で使用された陸上競技場、屋外球技場、体育館はしっかり維持され、各種の競技大会に使用されている。周辺環境は都内でも数少ない緑地帯で立地的にも都内の中心的な場所にあり、交通至便であり、多くの観客を集める点でも申し分ないと思う。

 なぜこれだけオリンピック競技会場として地理的にも適した素晴らしい施設と環境がありながら使用せず、国家財政が厳しい中を敢えて巨額な投資までして新たな‘金食い虫’施設を有明周辺に造るのか、その真意と意図がまったく理解できない。

 オリンピック関連施設とは別に駒澤公園の施設管理面でも分からないことがある。

 それは、64年大会でバレーボールやレスリング会場として使用された体育館の入口前に堂々と建っている看板塔(広告塔か?)の存在である。高さ3mはあろうかと思われる立方体の塔は、広告塔としての役割を充分担っているように見える。それが今なお「スポーツ祭東京2013」と書かれている。2年前の広報である。あんな目立つ場所に過去の催しをどうしていつまでもPRしているのか、その感覚が理解できない。実はスポーツ祭が終わった一昨年末辺りから少々気になっていた。

  ところが、翌2014年になっていつまで経ってもこの広報看板を新たな看板に代えるでもなく、取り払うでもない。そして10月ごろになって漸く新しいイベント告知に代えられた。やれやれと思っていたら、何とそのイベント企画終了と同時に、元の木阿弥というべきであろうか、再び看板は「スポーツ祭東京2013」に戻っているではないか。今日も駒澤オリンピック公園内の体育館入口前には、2年前の「スポーツ祭東京2013」看板が堂々と掲げられていた。近隣の住人としてもこのピンボケ感覚は理解に苦しむし、恥ずかしいとも感じている。隣人も首を傾げていた。東京都の役人が、簡単にやるべきことをたださぼっているとしか思えない。

 自治体、並びにオリンピック関係者にとっては住民の気持ちとは関係なく、恥ずかしげもなく、しかも片付けるという気持ちなんかさらさらなく、ただ漠然と目の前にある作業だけを進めているだけなのである。何とまぁ役所というのは気楽で退廃的なことか。こんな弛みきった気持ちで2020年オリンピック開催なんて本当に大丈夫なのだろうか。

2015年1月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2811.2015年1月23日(金) 居酒屋「ワタミ」社長交代劇

 金曜日はイスラム教の休息日である。にも拘わらず日本国内のイスラム教関係者にとっても今回の日本人人質殺害予告メッセージは他人事ではなく、イスラム教の教義や日本で生活する自分たちの立場も考えて、テロ反対を訴え何かと忙しそうだ。今日は2邦人の殺害警告の期限72時間に当たるのだが、政府の対応も確実な情報が得られないせいか、淡々として今一つすっきりしない対応に終始している。

 周辺のイスラム圏諸国では、イェーメンでハディ暫定大統領がサイード派民兵と昨日一旦は妥協が成立したが、今日になって大統領職を辞任し、クーデターが成功した形となった。今後国内政治は一層混乱が予想されている。これでまたイスラム系過激集団が存在感を高まるとなれば困ったことである。

 また、もうひとつイスラム圏サウジ・アラビアのアブドラ国王が今日亡くなった。齢90歳と言われているが、豊富な石油資源を背景に絶大なる権限と存在感を国内外に示していた。当面これまでのアメリカ寄りの外交姿勢を変えることはないようだが、後を継ぐサルマン皇太子は前国王の異母弟で今年79歳になるという。そのサルマン新国王を継承する序列の1、2位はいずれも前国王、新国王の異母弟で高齢というから複雑である。

 さて、昨日の日経紙朝刊に居酒屋チェーン「ワタミ」の新社長に長男の高校ラグビー部仲間の清水邦晃くんが決まったとの朗報が載っていた。私も彼らの高校時代にグランドへよく応援に駆け付けたが、彼はラグビー部では司令塔と言われるスタンド・オフとして活躍し、ウィングの長男へよくパスを回してくれた。元々しっかりした好青年だったが、明大在学中に何かトラブルがあったのか、早々に中途退学してしまった。その時息子から話を聞いて大学は続けた方が良いと思ったが、彼なりの考えがあったのだろうか、「ワタミ」でアルバイトを始めた。真面目に務めて次第に周囲から信頼を勝ち得て正社員となり、ついにトップの座にまで上り詰めるという今様シンデレラボーイとなった。ラグビー部の仲間の中で気の合う友人だったようで、長男の結婚式にも出席してくれた。暮れにも長男らラグビー仲間と一緒に飲み会をやったようだが、学業で挫折を味わいながら、それを乗り越え努力を積み重ね、44歳の若手社長として出世するとはまったく考えてもいなかったし、大したものである。

 だが、異例の抜擢となったこの人事は、前社長が2期連続で赤字が続いて責任を取らされたようだ。清水くんもこれから同じようなことになれば、同じように責任を負わねばならない。実際朝日の見出しには「ワタミ社長、経営不振で辞任-赤字見通し-後任に44歳清水常務」と書かれている。よほどの覚悟が必要である。息子にメールで聞いてみたら「本人も大変だと言っていたので覚悟していると思うよ。でも期待されていると思うので、友人として、応援して助けてあげたいと思います」との返事が返って来た。清水君ならきっと乗りきってくれると期待を込めて願っている。この社長交代がよほど話題性に富んでいるのだろうか、今朝の朝日、そして日経でも再び写真入りで紹介されていた。好漢清水くんの今後益々の活躍を期待している。

 偶々というべきか、タイムリーというべきだろうか、昨日の朝日朝刊「オピニオン」に11月の出版記念会にも出席してもらった、軍事評論家小川和久氏が「イスラム国」の人質問題について卓見を述べていた。早速メールで感想を送ったところ返事をいただいた。小川氏が相手国を知るのは、一般国民レベルで話し合う気持ちが大切だとの主張にはまったく同感である。

 さて、今日大相撲初場所13日目で横綱白鵬が5場所連続優勝を飾り、大鵬の32回優勝を追い越す過去最多33回目の優勝を成し遂げた。しかも結びの一番でもの言いがついて取り直しの末大関稀勢の里を破った印象的な決着である。これからあと何度優勝を飾ることができるだろうか。年齢的に30歳前だけにまだまだ期待できる。北の湖理事長は、白鵬に優勝40回を期待しているという。

2015年1月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2810.2015年1月22日(木) 「イスラム国」に拘束された人質はどうなるのだろうか。

 今日も主たるニュースは「イスラム国」に身柄拘束された2人の邦人の話題である。「イスラム国」が国家としての体を成していないせいで、身代金にせよ、人質解放にせよ、交渉する相手の窓口が不明で、その間に時間だけが過ぎてゆく。結局政府は為すすべもなく、人質の解放を訴え続けている。その後相手の「イスラム国」との接触はできないままである。

 現在日本国内に真のイスラム研究家がいないことが、中々情報を得られない大きな要因ではないかと思う。ましてや現地の事情や言葉などに通じた日本人はほとんどいないようだ。こういう追い詰められた時期に、イスラム法学者と言われる元同志社大教授の中田考氏が、仲介の労を取っても好いと言い出して記者会見を行った。ただ、このご仁は、昨夏無目的に北大生の「イスラム国」入国準備を手伝ったとして警察から家宅捜索を受けた人物である。

 今日になって人質のひとり、後藤健二さんについて沢山のビデオ画像がテレビを通じて放映されている。フリー・ジャーナリストである後藤さんは、何度もイスラム国周辺へ入り子どもや難民の取材を行っていた。今日も姿を消す前の状況を現地ガイドが話しながら、後藤さんを慕っている映像を伝えていた。日本国内のイスラム教徒は、戸惑いを隠せず2人を拘束し身代金を要求する行為を断じて許せないとしている。期限の時は刻一刻と迫っている。

 後藤さんがアラブはもちろん日本国内における活動が多くの人々に感銘を与えていると報道される一方で、もうひとりの人質である湯川遥菜さんはまったく注目を集めることもなく、誰のコメントも述べられていない。すでに取り上げたように昨夏不可思議な行動で一部に顰蹙を買った湯川さんは、言動が不真面目と見られたのか、彼を真正面から被害者として取り上げる報道はない。

 現在夜10時を過ぎたが、まだ人質解放に繋がる明るい情報は得られていない。政府は各国にも協力を呼び掛け、それなりに好感触を得たようだが、何せ犯人の所在がどこか、雲を掴む話で得られる情報は頓挫している。心配である。

2015年1月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com