3103.2015年11月11日(水) 恥ずべきロシアのドーピングと巨人軍投手の賭博

 昨日国内外で不法なスキャンダルが明らかになった。

 ひとつは、ロシア陸上界における国ぐるみのドーピング違反事件である。選手のみならず、コーチ、医師、ロシア政府情報機関職員まで不正に関与していたとされ、これを糾弾した世界反ドーピング機関(WADA)は、ロシアには勝利のためには手段を選ばないだまし文化があるとして厳しく非難した。2001~12年の陸上世界選手権とオリンピック長距離種目の全金メダルの1/3に当る146選手にドーピングの疑いがあるとも報じられている。WADAは国際陸連に疑惑が解明されないうちは、ロシア選手の国際大会参加は認めるべきではないと勧告した。このままだと来年のリオ・オリンピックにロシア選手が参加出来ないことになりかねない。スポーツ選手までが、社会主義体制下で国家管理下にあり、当時当たり前だった命令服従の悪行が今も闇の中で生き続けていたということだろうか。

 一日も早い疑惑の解明が望まれる。

 一方、もうひとつ眉を潜めるような事件が日本でも起きていた。何とプロ野球・読売巨人軍の3人の投手が野球賭博をやっていた事件で、巨人軍は3人の契約を解除し、コミッショナーは彼らを無期失格処分とする採決を下した。1969年当時西鉄ライオンズの池永投手が自ら八百長野球をやって球界から永久追放処分を下された「黒い霧」事件以来の不祥事である。勿論本人に最大の責任があるが、巨人軍内では賭け麻雀や、賭けトランプが常態化されていたことを考えると、若い選手を多数預かっている立場から巨人軍にもその指導、管理に大きな責任がありそうだ。

 賭博が明らかになったのが、スポーツの中でも人気のあるプロ野球であることから、各スポーツ界に与える影響も無視出来ない。巨人軍の3選手をトカゲのしっぽ切りにするのではなく、将来のプロ野球界の健全な発展のためにも選手たちに対して基本的な人間教育を徹底させないと、2度あることは3度あるということになりかねない。

 それら内外の不祥事の中で、今日すっきりしたニュースは、国産初のジェット旅客機MRJが初飛行を果たしたことである。「YS11」以来実に半世紀ぶりのことである。「YS11」は海外での販売で壁に突き当たって撤退した。今この小型ジェット機は、カナダのボンバルディア社とブラジルのエンブラエル社の寡占状態にあり、日本の技術力により燃費が2割方経済的というメリットを以ってすれば、戦略次第で世界の航空機市場へ充分打って出られるのではないだろうか。航空機産業はこれまで日本にはなかっただけに、産業界としても大きな期待を持てる。頑張って欲しいものである。

2015年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3102.2015年11月10日(火) 知らなかったテレビ番組知的所有権

 昨年の今日拙著「南太平洋の剛腕投手」の出版記念会を開いてから早いもので1年が経った。その後拙著もまずまず売れているようだが、格別なビッグニュースはない。11月10日の今日開催した事情は、平日で憶えやすい日時ということがあった。しかし、今日改めて11月10日は別名「イイトイレの日」であると知らされた。トイレット容器メーカー「TOTO」が仕掛けたようだが、むしろ昨年はそんなことを知らなくて良かったと思っている。

 さて、今年大筋合意に至った環太平洋経済連携協定(TPP)で、工業製品、農産物、サービス、投資などの他に知的財産なども俎上に上がった。今日駒澤大学公開講座で2つの講座を受講した。実は、テレビ番組の知的財産権についてはこれまでほとんど関心がなかったが、1時限の講座で元日本テレビ部長の大泉克郎講師が、在職中の体験から「知的所有権」について例題を挙げて詳しく解説された。その中で意外だったのは、映画における映画製作会社と同じようにテレビでもテレビ制作会社に知的所有権が属すると思い込んでいたところ、もっと複雑で原作者、脚本家、監督、出演俳優ら関係者それぞれに個別の知的所有権があると知ったことである。それでいてダヴィングされて海外へ持ち出された番組が海賊版としてコピーされ、肝心な知的所有権使用料が手に入らないという話だった。その辺りはパイオニアであるアメリカのテレビ会社は制作時に一括して知的所有権を取得したので取りはぐれがなく、日本のテレビ局とは大きな差があると伺った。

 ところで、現在国会は野党の要求にも拘わらず臨時国会が開かれていない。だが、閉会中だが、「閉会中審査」と称して衆議院予算委員会が開かれた。今日の委員会のやり取りを見ていて、初めて安倍首相が憲法第9条改正について賛成と言及したことに驚いた。これまで憲法改正の気持ちありやとの質問を受ける度にはぐらかしていたが、今日の答弁では国民が平和な暮らしを送るためには、憲法9条の改正が必要であり党内で意見をまとめているところだと一歩踏み込んだ発言をした。

 9月に集団的自衛権行使を含む安保関連法案が成立した時点で、次のステップを考え、同時に日本の再軍備を行うため憲法改正の強い気持ちを持っていた安倍首相は、最早国民が反対する憲法改正に恐れることなく猪突猛進を始めたのである。憲法論議は今後どういう方向へ進むのだろうか。

 昨日部分的に明らかになったビルマの総選挙の結果の続報であるが、アウン・サン・スー・チーさんが党首を務める国民民主連盟(NLD)が圧倒的な勝利を収めつつある。まだ、確定するまでにかなり時間がかかりそうだが、一部には選出議員の9割近い座席を獲得し、ひとつの壁だった全体の2/3議席獲得にも光が見えてきたようだ。

2015年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3101.2015年11月9日(月) ビルマの分かり難い総選挙結果

 昨日行われたビルマ(現ミヤンマー)の総選挙の結果がビルマらしくすっきり公表されない。大凡の結果はメディアで分かっているようだが、正式には2~3週間ぐらいかかるというから実にビルマらしい。

 2010年の総選挙では、民主化運動の旗振りを務めていたアウン・サン・スー・チーさんが党首を務めていた国民民主連盟(NLD)がボイコットしたせいで、軍部の流れをくむ与党の連邦団結発展党(USDP)が8割の議席を握った。今回の選挙は、各国がその結果を注目している。今夕時点では、与野党ともにNLDが多数の議席を獲得したと発表している。だが、正式な発表はまだである。戦前予想されたNLDの優勢にも拘わらず、民主化を目指すスー・チーさんが目指す勝利とアメリカを始めとする各国の希望は予断を許さない。その最大の原因は、上下両院の664議席のうち、1/4議席が軍人議席だからで、議会全体で野党が2/3議席以上を獲得しない以上全議会の過半数を獲得したことにならないという理不尽な制度のためである。そして一番恐れることは、例えNLDが勝っても、軍部がルール破りをやって1990年時と同じように敗者が勝者に成り替わることである。

 かつて軍政時代の1990年に行われた総選挙では、NLDが議席の8割を押さえて圧勝したが、軍は選挙結果を黙殺し、政権委譲を拒否した。しかも、NLDの指導者スー・チーさんを以後15年間に亘って自宅軟禁するほどの狼藉を行ったのである。それでもビルマ国民は独立の父アウン・サン将軍の娘であるスー・チーさんを支持し、彼女も挫けることなく今日の総選挙へ辿りついた。

 果たしてビルマの選挙の結果とその後の政治はどうなるのか。明日になればもう少しはっきりするのではないだろうか。

 だが、今は総選挙で政権を取る話が先行しているが、実際そうなった時にしっかりした政権構想がスー・チーさんらのNLD側にあるのだろうか、その点がちょっと気になる。

2015年11月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3100.2015年11月8日(日) 中国と台湾首脳が歴史的会談

 1949年以来長らくいがみ合っていた同じ中国人国家同士の首脳、習近平・中国国家主席と馬英九・台湾総統が、昨日シンガポールで歴史的とも言える会談を行った。ほぼ半世紀前の台湾海峡における金門・馬祖島の砲撃事件や、当時の蒋介石・総統の反中言動を考えると大きな時代の流れを感じる。

 かつて、「一つの中国」を主張し本家争いを演じていた中華人民共和国(中華人民共和国)と中華民国(台湾)が、歴史的な首脳会談を行ったのには、それなりの深慮遠謀がある。近年中国の覇権主義は留まるところを知らず、その領土拡張の海洋進出に対しては、南シナ海で周辺国の反発を招いているばかりでなく、アメリカが懸念を表明し、米艦船を派遣する有様である。一方の台湾は、中国の領土として併合されることは望んでいないが、その本音はともかく国民党の馬総統は国内の支持基盤が脆弱となり、党内においても存在感が薄れつつあることを意識して、乾坤一擲のエース・カードを切った節がある。

 しかし、習主席の相変わらず自信たっぷりの表情に比べて、馬総統にはどことなく頼りない印象が拭いきれない。台湾国内でも、特に民主派の国民にとっては大国中国に呑みこまれることを警戒し、中国の狙いに引き込まれないよう、昨日の会合でもすべてに互角の話し合いの内に終始した。

 確かに近年の中国の飛躍、発展ぶりには目を見張るものがある。ただ、強気の外交の反面国内では多くの問題を抱え、国民から目を逸らすために強気の外交に躍起となっている印象がしてならない。

 実は、日常生活において中国国民が抱える不安と悩みの項目・上位10傑が、先月のウォールストリート・ジャーナル紙に紹介された。

 それらは、①官僚の腐敗、②大気汚染、③水質汚染、④貧富の格差、⑤犯罪、⑥物価上昇、⑦食品の安全性、⑧商品の質、⑨医薬品の安全性、⑩医療、である。

 いずれも首肯することが出来る。幸い日本ではあまり意識しない事象である。これらの懸念材料から国民の視点を逸らすために、中国政府は無理やり愛国心を駆り立て、国内で諸外国からの批判を封殺して自国の強大さと権利を主張し、結果的に外交面でトラブルを引き起こしているのが実態である。

 中国については、40年ばかり以前に初めて訪れた時の印象が、街には車は少なく道路一杯に自転車が走る素朴な国、人民服を着た温和で優しい国民というイメージだったが、昨今の中国の全体像はテレビで見る限り大きく変わったようである。勝手な思い込みであるが、昔の中国が懐かしい。

 台湾についても40年以上前の印象になるが、日本語が通じる親日的な国民で街でもあまり外国という違和感をあまり感じない国だった。今も親日的であるが、時とともにすべてに発展してやはり昔とは少し異なる印象が湧いてくるのは、当然と言えば当然だと思っている。

 果たして、これら同じ中華民族が社会体制の違いを乗り越えて「一つの中国」になることは可能だろうか。

 さて、ラグビーでまた快挙があった。今日香港で行われた7人制ラグビー・アジア選手権決勝戦をテレビ実況観戦していると、日本が香港に前半0-10とリードされながらも、後半盛り返し逆転して24-10で勝って優勝し、来年のリオ・オリンピックへの出場を決めた。今年はラグビー界にとって良いことずくめでつい嬉しくなる。

2015年11月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3099.2015年11月7日(土) NHKの「やらせ」が政治介入を招き言論封殺へ

 NHKの長寿番組「クローズアップ現代」が、昨年5月に出家詐欺事件を取り扱った「やらせ」報道が問題視されていたが、昨日BPO(放送倫理・番組向上機構)委員会がNHKに対して「クローズアップ現代」他に重大な放送倫理違反があったとして、対応を厳しく非難した。やらせが明るみになった時点で、これ幸いとばかり政府と自民党が便乗してNHKの番組内容に立ち入った発言をし、個々の放送番組の内容に介入したことに対しても、BPOは放送の自由と自律に対する政権党による圧力であると厳しく非難し、極めて遺憾であると述べた。

 ところが、これに関して高市早苗・総務相は直ちに、「行政指導については番組の内容が放送法に抵触すると認められたことから、放送法を所管する立場から必要な対応を行った。NHKは公共放送としての社会的責任を深く認識し、放送法・番組基準などの遵守とその徹底を行ってほしい」とBPOの批判に対して、自分たちの行動が正しいと言わんばかりの的外れな反論を行っている。これでは政府はやろうと思えば何でも出来ると言っているのと同じことではないだろうか。恰も居直ったかのようで、まるで自分たちの行為に対する批判に耳を傾ける気がないようだ。政界は自民党1人勝ちの一強多弱となり、何でも出来ると思いあがって、他人の意見に一切耳を貸すことなくこうも傲慢になるものかと呆れるばかりである。

 この種の問題は、ともするとそれぞれの言い分が本筋から外れがちになる。だが、これとてNHKのやらせ自体が事の発端であり本質的な問題なのである。これに対して事あるごとに口を出す自民党の報道への干渉は問題外であり、本末転倒である。

 もし、今回話題となったやらせを放置していたらどうなったか。実際当番組では、センセーショナルな話題に仕上げようと、事実ではないシナリオまで作成して作為的に本物風ドキュメントを作り上げるような田舎芝居を演出していたのである。仮にこのままこの嘘で固めたシナリオが見過ごされていたら、2匹目、3匹目のドジョウが暗躍してドキュメンタリー番組は、すべてフィクションになってしまうところだった。やらせ行為を行うことに何らの抵抗感もないNHKのスタッフが、かくも堂々と似非番組を作るということにショックを受けた。だが、その反面これをやらせと告発した良識派がいたことに、取り敢えずホッとしているところでもある。

 問題は、政治が今後徐々に公共放送の番組作成、編成に介入しないかということである。報道統制、報道管制の始まりとなり、報道の自由と言論の自由へ影響が及び、戦前の空気が漂い出すことが心配である。更に困ったことは、それが無意識に当然だと思っている愚かな政治家があまりにも多いことである。

2015年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3098.2015年11月6日(金) 先輩の南極本出版とテレビ東京の誤報道

 高校の1年先輩の神沼克伊さんから最近出版されたばかりの「白い大陸への挑戦~日本南極観測隊の60年~」と題するご著書を現代書館から贈っていただいた。理系書で一般には分かり難い地球物理学という学問を南極探検の冒険話やエピソードを交えて書かれた専門書と言えるようだ。神沼さんは、現在国立極地研究所と総合研究大学院大学の名誉教授で、私の兄とは同じ理系で高校時代の親友だった。わが家にも何度か遊びに来られたので、昔は私も神沼さんをよく存じていたが、兄の結婚式でお会いして以来しばらくお付き合いがなかった。昨年高校の同窓会でお会いした際拙著を差し上げたご縁で、南極関係の著作の出版についてご相談を受けた。今年は日本が南極探検を始めてから60年目の記念すべき年に当るので、関連の本を出したいが、理系書は出版社があまり乗り気にならないので、知っている出版社があれば紹介してもらえないかとの話だった。それなら可能性は確約出来ないが、拙著を発行してくれた現代書館を紹介しましょうということになって、今日手にした神沼さんのご高著出版に至った次第である。

 偶々紹介して差し上げた出版社から願い通り労作を世に出して、地道な南極関係について普く知られることは、著者の神沼さんにとって大きな喜びであると思う。私も多少なりともお役に立てて良かったと嬉しく思っているし、兄も喜んでくれている。

 神沼さんは、大学から一貫して地球物理学の道を歩み、今ではわが国におけるその分野の第一人者として知られている。難しいご著書かも知れないが、これを機会に少しでも分かるよう私も勉強したい。

 さて、今日テレビ東京「ニュース アンサー」プロデューサー、松岡謙二氏へ宛てて先日いただいた手紙に対する返信を書き送った。松岡氏からいただいた書状は、番組プロデューサーとして同社高橋社長に郵送した私の書留便に対してことの経緯と事情を説明した回答である。メディアというのは、言論の自由を声高に叫んでいながら外部からの意見には頑なに耳を貸そうとはしないものだ。朝日新聞しかり。同様にテレビ東京も中々問い合わせや質問には素直に応えてくれず、代表取締役である社長に丁寧に質問を列挙した書状を送り、漸く番組プロデューサーから返事をもらったという次第である。一方、朝日については、依然として顧客担当部長から逃げ腰で中身のない手紙をもらっただけである。

 今回の事の始まりは、テレビ東京が先月1日に放映した番組「アンサー 潜入テレビ初! 飢餓の島で見た戦争」で、民間団体がガダルカナル島で行った遺骨収集作業について、重大な事実誤認の報道を行ったことである。これに対して再三テレビ東京へ照会し、質問した挙句に、漸くもらったプロデューサーからの返書の中身にどうしても納得が行かなかった。私自身長年に亘って厚生省の戦没者遺骨収集事業に関わった実体験から、報道の内容はかなり間違っていたことを伝えて、注意を促し、訂正を求めたものである。今日社長へのコピー郵送と併せて、プロデューサーに返信に書かれた説明ではとても納得出来ないし、視聴者に間違った情報を伝えたままであると再質問状を送ったところである。朝日のように都合が悪くなると頬かむりをするのか、真摯に応えてくれるのか、誠意ある返事をしばし待ちたいと思う。

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3097.2015年11月5日(木) 文豪も空いた口が塞がらない図書館の配架

 所属するNPO法人JAPAN NOW観光情報協会事務所の引っ越しに当り、事務所に置きっ放しだった荷物を先日持ち帰ったところだが、まだ私物がありそうだと連絡をもらったので、フォルクスワーゲン社(VW)製のマイカー‘POLO’に乗って事務所まで出かけて引き取って来た。実は、マイカーの車種‘POLO’もVW社ディーゼル車不正の連鎖の中で、昨日二酸化炭素の排出量を少なく見せる不正行為が新たに明らかになった。今年車検を済ませ、つい先日は自動車保険更新に際して、セールスマンはVW社製の中でもガソリン車は大丈夫と明るく話していたが、それも昨日までの話となってしまった。マイカーがいずれの時点においてか、リコール対象になるのだろうか、あまり気分の好いものではない。

 ところで、最近高齢者による自動車事故が多発して社会問題となっているが、道々高齢ドライバーの運転の様子をそれとはなしに見ていると、確かに危なっかしい運転やルール無視が気になる。今日も246号線・玉川通りから山手通りへの合流点で、左右どちらにも合流出来るT字路へ出て1台前の高齢者が肝心なウィンカーの点灯をしない。後ろからクラクションとハザード・ランプで警告したが、ついにウィンカーを出さないまま曲がりきってその後車線変更禁止レーンで車線変更をして、大分先の方で再びウィンカーを出さずに強引な割り込みをしていた。これでは、事故が起きるわけである。自戒の気持ちを込めて書いたが、実際統計的にも高齢者の事故は年々増えているようで、自損事故以外にも、他人を傷つけるケースも増えているようだ。昨日も93歳の女性が少年を轢いてしまった悲しい事故があった。

 私自身あと何年車を運転出来るか分からないが、くれぐれも運転には気をつけなければいけないと改めて思った次第である。

 さて、日経朝刊のコラム「春秋」を読んでみて、ちょっと呆気に取られてしまった。海老名市立中央図書館の話である。ここは「TSUTAYA」が委託運営して新しい手法を導入して話題になった図書館だ。だが、「TSUTAYA」手法は一部で公立図書館らしからぬ問題を提起している。

 コラムでは、そこの選書と配架を問題視しているのだ。例えば、森鴎外の「雁」が鳥類図鑑のコーナーに、芥川龍之介の「芋粥」は料理本に、旧約聖書の「出エジプト記」が海外旅行のジャンルに配架されているのだという。図書館に勤める館員は、本について普通の人よりよほど詳しくなければならない。それがこの程度だとすると、図書館で本を読もうとやって来る人はがっかりし、相談もしなくなるだろう。

 実は、拙著「南太平洋の剛腕投手」も、書店の棚にはノンフィクションに分類して欲しかったというのが本音である。ところが、拙著はどこの書店でもスポーツコーナーに配架されていた。タイトルとワインドアップしたユニフォーム姿の主人公の表紙絵のせいであろう。前記の事象とは異なるが、もしノンフィクションの書棚に置かれていたら、もっと売れ行きは伸びたのではないかと勝手な妄想をしている。それは、ノンフィクション・コーナーの方が場所的にスポーツよりよほど書店の入口に近く、人目につきやすく有利だからである。

 それにしても「TSUTAYA」には、森鴎外も芥川龍之介も空いた口が塞がらないだろう。

2015年11月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3096.2015年11月4日(水) 大企業の不祥事続きは何が原因か。

 このところ内外ともに世界的な大企業の不正が後を絶たない。東芝の不正会計、欠陥エアバッグの自動車部品大手メーカーのタカタ、免振ゴム不正使用の東洋ゴム工業等々が問題となってまだ間もないうちに、大手不動産業者の三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市内のマンションで建物が傾いたことが明らかになった。その影響が糸を引いているばかりでなく、被害が全国的に拡大している。結局販売元の同社だけではなく、重層構造になっている下請けの建築施工業者が手抜き工事を行っていたことが徐々に暴露されている。それらの工事を請け負った建設会社や工事会社が、発覚しないだろうと経費を削って法律で決められている通り工事を行わなかったことが原因である。儲けのためには、一見して目に付かない箇所で手抜きをやる悪質な行為を、大手企業がやっていた。一旦失った信用はそう簡単に取り戻すのは、並大抵のことではない。まだ、原因等を調査中ということでもあり、これからもこういう杜撰な建築工事によって建てられたマイホームが明らかになるだろう。

 そして、今日原子力規制委員会が高速増殖炉「もんじゅ」について、運営主体の日本原子力開発機構に代わる運営主体を示すよう馳浩文科相に勧告した。恥ずかしいことに度重なる点検不備により、原子力規制委員会は原子力機構に「もんじゅ」の運転を任せるのは不適当とまで断罪したのである。この後どういう対応を取るのかは分からないが、今まで「もんじゅ」では、点検漏れの事故が頻発し、再三改善を促されていた。しかし、一向に改善される見込みがないと見透かされたのである。

 こんな重大なことが一向に修正されないとは、ことは技術以前の問題であり、モラルに問題があることは間違いないと思う。東芝然り、三井不動産しかりで、民間大手企業のスキャンダルと歩調を合わせるかの如く、国の事業でも同じように次元の低い事象が発生している。

 これでは、政府が原発再稼働に当り、いくら世界で最も安全だと吹聴しても原発の検査自体がどこまで信用出来るのか分からない。こういう路線の上で、危険をはらむ原発の再稼働が続々とスタート台に立とうとしている。

 大企業の不祥事は、国内だけに留まらず海外企業でも起きている。先月ドイツのフォルクスワーゲン(VW)社は、ディーゼル車の排気ガス規制で不正を犯した信用失墜により販売高を急速に落としているが、今日新たなVW社の不正が明らかになった。販売前の型式認証手続きというのがあるそうだが、VWでは二酸化炭素(CO2)の排出量の数値が実際より低くなるよう不正を働いたという。VWの場合、これまでディーゼル車の不正のみと見られていたが、わが家の車「POLO」やアウディまで、その対象は広がるほどの全社的な不正事件である。

 どうしてこのようなモラルを問われる事件が連続的に起きるのだろうか。メーカーには自助作用が働かない社内構造になっているのだろうか。VW社の不正も許せないが、真面目な技術大国と言われた日本の製造業も好い加減なものだと言われないよう反省して欲しいものである。

2015年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3095.2015年11月3日(火) 「文化の日」喜寿の誕生日を迎える。

 今日「文化の日」は77歳の誕生日である。来し方を振り返れば、77年の歳月に万感の思いが湧き上って来る。この日は日本憲法が公布されてから69年目でもある。この間公私ともにさまざまなことがあった。

 節目として大きな影響を受けたのは、何と言っても太平洋戦争であり、60年安保闘争だった。更に言えば、個人的には入社5年にして、今から思えば無謀にも会社へ辞表を提出して当時のチェコスロバキアへの留学を実行しようとしたことである。だが、生憎1968年突如勃発した「プラハの春」の煽りを受け、チェコ行きの志を通すことが難しくなり、初志貫徹することは出来なくなった。あれがひとつの転機となった。

 その後は旅行エージェントとして自分なりのやり方で、新しい企画を作り多くのお客様に助けていただいて旅行業を自分の終生の仕事と考えるようになって行った。プライベートでも自由に好きなことをやった。その間家庭的にも伴侶を得て2人の子どもに恵まれ、幸せな家庭を築くことが出来た。

 77年を今振り返って悔いることはない。自分に合った旅行業という仕事に従事して思い切りやり遂げることが出来たと思っている。紆余曲折を重ねたが、思い残すようなことはない。高校でラグビーを、大学では登山を思い切ってやって学問以外にも学園生活を楽しんだ。大学ゼミナールでは良き師に恵まれ学友と充実した気持ちで学ぶことが出来た。他にも多数の素晴らしい友人に恵まれた。

 その意味では幸せな77年だったと言うことが出来る。今の著述業はおまけの人生で自由気ままに活動しているが、あまり自分勝手な我儘も出来ないし、そろそろ終活の準備に手を染める時期に来ているかなと思っている。今後は健康状態を入念にチェックしていくことが最も大切だと考えている。

 さて、今日は所属する認定NPO法人「江戸城天守を再建する会」の江戸城天守再建に関する復元調査の報告会が、神保町の学士会館で開かれた。当初から復元の青写真を作成している三浦正幸・広島大学大学院教授の報告と、東京をもっと魅力的な都市へと訴える伊藤滋・早稲田大学特命教授の特別講演、更に神保町にある共立女子大生による神保町活性化デザイン計画のプレゼンテーションが行われた。

 個人会員の数が4500人まで増えて少しずつ江戸城天守再建への関心と希望が高まっているが、前途は決して楽観出来るものではない。77歳の我々が生きている間に天守再建が実現出来るかどうかという次元の話になる。ひょっとすると難しいかも知れないと考えると少々寂しい気持ちになる。

 今日三浦教授の講演の中で、改めて知ったことは、江戸城は徳川家康が築城したものであるが、防御用というより美的感覚が強く世の中にもう戦いがないという自信があったからだろうということと、城の形があらゆる点でどこから見ても美しいということである。

 一日も早く江戸城天守閣の美しい英姿を見てみたいものである。

2015年11月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3094.2015年11月2日(月) 日本ラグビー界に福来る?

 ラグビー・ワールドカップも昨日早朝の決勝戦を以って1ヶ月半に亘る大会の幕を閉じた。決勝戦をビデオ観戦したが、ライバル国同士の好試合のうちに予想していた通りニュージーランドが勝ち、前回に続いて連覇、3度目の優勝を飾った。今回は準決勝に勝ち残った4チーム、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンといずれも南半球のチームばかりで、相変わらず過去において帝国主義時代の植民地だった国が強かった。これで過去8回の大会で優勝回数はニュージーランド3回、南アフリカとオーストラリア各2回、イングランド1回で強豪国はごく限られた国ということになった。

 その中で日本チームが南アフリカを破ったことは、今大会最大の番狂わせと言われ、世界中が驚き興奮した。だが、それだけに留まらず日本は決勝トーナメントこそ勝ち点の差で進出出来なかったが、一次リーグで3勝1敗の好成績を挙げ、その健闘ぶりは世界中のラグビー・ファンから広く称賛されている。代表チームが帰国して以来国内でもラグビーの俄か人気が高まり、注目されるようになった。そこへ今日大きなご褒美が知らされた。

 ひとつは、新設された過去8回の大会の「ワールドカップの最高の瞬間」に日本対南アフリカ戦が選ばれたのである。日本が3点リードされたノーサイド直前にトライを奪い34-32で逆転勝ちした、後輩のあのNHK豊原アナが絶叫し視聴者を興奮のるつぼに追い込んだ決定的なトライ・シーンである。

 もうひとつは、ヒーローとなった五郎丸歩選手が今大会のベスト・フィフティーンに選ばれたことである。勿論日本人で初めてである。

 ラグビーをプレイした私自身の経験からも言えることは、例え一時的であろうとも、多くの人々がラグビーに関心を持ってもらえることはとても嬉しいことである。

 女子ラグビーが取り上げられ、車いすラグビーもメディアに取り上げられた。後者に至っては昨日オーストラリアを、一昨日ニュージーランドを破り、アジア・オセアニア選手権で優勝して、来年のリオ・パラリンピック出場権を獲得した。

 夜になって「SMAP」のテレビ番組でも、五郎丸選手は大もてだった。ラグビー・ブーム到来である。シーズンに入るこれからが大いに楽しみである。

2015年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com