今日から師走である。今年も残りあと1ヶ月となった。こうなるといつもながらクリスマスカードと年賀状の準備を急かされる。
昨日漫画家の水木しげるさんが多臓器不全で亡くなられた。14年前に亡くなった父と同じ93歳だった。私自身普段からマンガに親しむことはあまりないが、最も知られている「ゲゲゲの鬼太郎」だけは、つい先ごろ亡くなられた熊倉一雄さんの独特の歌声でよく知っている。
水木さんは、漫画家として広く知られているが、その原点には自身の厳しい戦争体験がある。自身の戦争体験から生みだされた作品「総員玉砕せよ!」などは、その典型だと思う。水木さんは「餓島」と呼ばれるガダルカナル島のジャングル内を落ち延び、ひとつ間違えば落命したかも知れない、米軍の爆弾により左腕を肩からそっくり奪われた。それだけに戦争への憎しみと戦争に反対する気持ちが人一倍強かった。生前「戦争とは死」と言い続けていた。
私自身ほぼ40年前の1976年4月に、旧厚生省主宰戦没者遺骨収集事業の下見調査を兼ねてガ島を訪れている。あの時は2週間ほどかけて、オーストラリアのシドニーから、パプア・ニューギニアの首都ポートモレスビーとゴロカ高原、ガダルカナル島、ブーゲンビル島、ニュー・ブリテン島のラバウルを訪れた。ラバウルでは海底に潜って沈没した日本軍艦内へ入ったり、整然とした英軍墓地を訪れたことを思い出す。
偶々テレビ東京が10月1日に放送した「アンサー 潜入テレビ初! 飢餓の島で見た戦争」で重大な事実誤認の報道があったのを観た。それは私自身長年遺骨収集事業へ関わっていたことから、とても容認出来るものではないことが分かったので、直ぐテレビ東京へ連絡した。ところが、朝日新聞と同様まったく無視され、返事はなかった。そこで社長へ宛てて手紙を送ったことから、漸く代理人の担当プロデューサーから返信を受け取った。現在事実関係を調査し、間違いを訂正するよう申し入れているところである。これに対してプロデューサーの2度目の手紙は、具体的に事実を証明するのを回避しようとする様子がミエミエなので、真っ当な回答を得られるよう更に追及している。どうもメディアというのは、天下の朝日を始めとして自分たちの言い分は主張するが、間違った場合、持論の訂正とか、常識的な正論とのずれの修正に後ろ向きになり、その不誠実なスタンスには困ったものだと思っている。いずれにせよ、テレビ東京には間違いを訂正させるようにしたいと考えている。
今日駒澤大学マスコミ研究所の公開講座は今年度の最終講義を終えた。18年間講師を務められた片山正彦講師も定年により今日が最終講義である。今日いただいたレジュメはとても参考になる。
最終講義終了後、桜新町の天麩羅屋で、昨年やはり定年を迎えられた菱山郁朗元講師も来られて、和やかな雰囲気の中で懇親会を行い打ち上げとした。まだ分からないが、出来れば来年も受講したいと思っている。